#97 女性アスリートの三主徴

女性に特化した 「コンディショニングを考える必要性」 について不定期に発信します。 とても大切なことで、男女問わず 「健康」について真剣に伝えたいので 少しづつ、書いていきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「月経」に関する基本的な知識と 「スポーツ選手と月経」が、 どのように関連するか?挙げてみます。 こういう話は助産師さんが専門なので、 私はごくごく、基本的なことしかわからないのですが 女子選手を相手にする限り避けて通れない そして、中学生〜高校生くらいの時期から キチンと自分の身体の事を知ってもらいたい。 「スポーツ」からこういう情報にたまたま引っかかった人、 コンディショニングがここまで関わると思わなかった人 普段、女子選手を扱う男性指導者の方などでも 「へー、そうなんだ・・」 が、幅広く伝わればいいなと思います。 *参照:女性アスリートのための月経対策ハンドブック  

【無月経(視床下部性無月経)】

一般女性と比較し、アスリートで頻度の高い”無月経”。 月経が3ヶ月以上止まっている状態を指しますが、 初経が遅れしまう ”初経発来遅延” も 大きな問題になっているようです。 15歳になっても、月経が来ないまたは体重や身長の増加が見られない場合は、 産婦人科で相談することを勧められています。 特に、新体操やフィギュアスケートなど 美しさを求められる競技は、開始年齢が早いこと、 女性特有の丸みを帯びる体型が嫌煙されがちです。 また、早期から競技性を求められ、 過剰なストレスがかかることによって 月経周期が不安定になったりすることもあるようです。  

【利用可能エネルギー不足】

女性アスリートに多い視床下部性月経の原因は 利用可能なエネルギーの不足によるものが多く、エネルギーバランスと月経周期には大いに関係があると言われています。 これは男性アスリートも含み、全てのアスリートにとって 練習による活動量に見合わないエネルギーの不足は、 発育・発達や代謝、精神的、心血管、骨など全身へ悪影響を及ぼし、 結果的にパフォーマンス低下をもたらします。 運動で使うエネルギー(=消費量)に見合った

エネルギー摂取である「食」の重要性について

今一度、しっかりと考えるべきことだと感じます。  

【骨粗鬆症】

このように、相対的にエネルギーが足りない状態が続くこと、 そのことによって起こる視床下部無月経、 しいては無月経による骨密度の低下(=骨粗鬆症) ・・・この3つの疾患を「女性アスリートの三主徴」 と定義されています。 繰り返しますが、 この三主徴の始まりは、 運動によるエネルギー消費量に見合ったエネルギーが 食事から確保されていない状態(=利用可能エネルギー不足)です。 脳の下垂体へ影響を及ぼし、 黄体ホルモンの分泌が抑えられてしまいます。 前回のコラムでも示したように、 黄体ホルモンは”排卵”を促します。 つまり、排卵がみられなくなると 月経は”不順”になります(高体温期がみられなくなる)。   もう一つの女性ホルモンであるエストロゲンは 「骨量」との関連があります。 無月経になると、エストロゲンの低下が起こるので ”骨密度”が低くなる・・・ つまり疲労骨折のリスクが高くなることが、 アスリートへの弊害となります。 無月経による疲労骨折のリスクは4〜5倍高くなると言われています。 また、一生の内に得られる 最大骨量を確保できる時期は10代の間までなので ・・・この頃の食生活、エネルギーのバランスによって、 もっと先の健康まで脅かされる可能性があることを よく知っておく必要があります。  

【まとめ】

運動を起こすにはエネルギーが必要ですが、 女性には女性としての機能である月経を起こすためのエネルギー、 成長期の子供たちは、カラダの成長のためのエネルギーも 食事から得なければなりません。   スポーツ選手のパフォーマンスを高め、 ケガをしにくい身体を作るために、 どのようなトレーニングをすればいいのか? 強度や負荷、量をどういう風に計画していけば 目標とする大会にいい状態で持っていけるのか?   私はそういうことを考え、提供する役割ですが   土台であり、全ての”受け皿”となるのがカラダであり ”受け皿”がすでに、ヒビだらけで壊れかけていては   トレーニングのストレスは、逆にマイナスの要因にしかなりません。   ケガのように、目には見えない面だし みんながみんな、問題を抱えているわけではないので   ちょっと困っている人へ、この情報が届いて ちゃんと心配している人がいるんだよ、ということを 知っておいてほしいです。   何でもいいので、相談してくださいね。