#90 アスリートが基礎体温を測定する目的

女性に特化した 「コンディショニングを考える必要性」 について不定期に発信します。 とても大切なことで、男女問わず 「健康」について真剣に伝えたいので 少しづつ、書いていきます。 「月経」に関する基本的な知識と 「スポーツ選手と月経」が、 どのように関連するか?挙げてみます。 こういう話は助産師さんが専門なので、 私はごくごく、基本的なことしかわからないのですが 女子選手を相手にする限り避けて通れない そして、高校生くらいの時期だからこそ キチンと自分の身体の事を知ってもらいたい。 「スポーツ」からこういう情報にたまたま引っかかった人、 コンディショニングがここまで関わると思わなかった人 普段、女子選手を扱う男性指導者の方などでも 「へー、そうなんだ・・」 が、幅広く伝わればいいなと思います。 *参照:女性アスリートのための月経対策ハンドブック

【月経のメカニズム】

月経の定義 「約1ヶ月間隔で起こり、限られた日数で 自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」 すべての始まりは、脳の視床下部から 分泌されるホルモンです。 そのホルモンの刺激で卵胞から ・エストロゲン ・プロゲステロン という女性ホルモンによって 毎月”妊娠する”準備が子宮で整います。 結果的に、妊娠が成立しなければ 次の準備のために「月経」が起こります。 常に、女性のカラダは”子供を産む”準備を 整える機能が備わっている。 これはアスリートである前に一人の女性であるという自然なメカニズムですから 例えあなたがトップアスリートであっても この機能をストップさせてしまう状態は 何か異常を身体が発していると捉えてください。 女性にとって重要なホルモンである ・エストロゲン ・プロゲステロン それぞれ女性らしさを出したり、妊娠を維持するためのものとして分泌されます。 分泌が正常に行われているかを予測する方法が 「基礎体温」です。

【基礎体温】

”婦人体温計”という専用の体温計を用いて測定します。 図のように、排卵後に分泌されるプロゲステロンによって体温が上昇する時期があります。
ところが、排卵がない女性は、低温期のみを表示します。 「排卵が起こらない」「月経不順」「無月経」 原因の一つに、スポーツ選手の場合は エネルギーの不足が考えられます。 アスリートが基礎体温を測定する意味は 月経周期とコンディションの関連 を確認するためです。 女性ホルモンがうまく分泌されているかどうかで 基礎体温に反映され、 カラダの中で起こっている変化を知る ことができます。 エネルギー不足になると、 まずプロゲステロンの分泌が弱くなるため 高温期が短く、さらに改善されなければ 低温期のみに変化します。 基礎体温を測定することで 運動量に対して、食事の量が不足していないかどうか? 見直すことができます。 体重が減ったり、練習量が増えた時期と重なっていれば エネルギー摂取量を増やすことが重要な治療となります。

【まとめ】

自分のコンディションが ケガや病気といった状態だけでなく こういう面からも脅かされていることもあるかもしれない ということを知っておきましょう。 食事は、空腹を満たすだけでなく エネルギー不足は女性ホルモンの分泌を抑え 女性としての機能を損なうということを知っておきましょう。 「知ること」で行動を選択できます。 せっかく、大切な時間を使って、 目標に向けて、日々取り組んでいる練習の成果を コンディション不良でパフォーマンスを落としているのは非常にもったいないと思うのです。 まず、出来ることから始めよう。 自分の健康を、自分で守る ために、どう行動を取るべきか選択できる選手が 強い選手になる。