#122 COVID-19 トレーニングへの復帰
都道府県によっては緊急事態宣言の延長や
まん延防止重点措置が延長される市町村もあります
懸念されることはこれらの感染防止隔離措置解除における
部活動再開に伴うチーム・選手のコンディショニングです
NSCAジャパンが昨年度出している
『トレーニング再開に関するガイドライン』の要約します
まだまだ今後もコロナ禍でのスポーツ活動や
大会実施などは不確実なものということを念頭に
”With コロナ” を忘れず ご参考ください
【 COVID-19:トレーニング状況と今後の課題 】
・プレシーズンのスケジュールの変更または圧縮
・極度のコンディション不良
・長期間の活動中止後のチームメイト間準備レベルの相違
・傷害およびオーバートレーニング症候群のリスク増加
・好ましくない体重増加、体重減少および体組成の変化
・個々のリハビリテーションプログラムの進行の遅延または中断
・現場での感染症に対する恐怖や社会的距離による施設利用およびプログラム実施の困難
【 施設と設備:衛生と消毒の手順 】
・安全性と機能性が最優先事項となる。全てのウエイトルームのサーフェスと機器は、疾患のまん延を拡大させる可能性のある微生物の繁殖を防ぐために、殺菌剤クリーナーで定期的に清掃する必要がある。
〜中略〜
・新鮮な空気の循環、換気、および太陽光(可能な場合)を重視する必要がある。これにより、ウイルスの呼吸による飛沫が空気から除去される時間が短縮される。細菌や微生物の増殖を防ぐためには、相対湿度が 60%を超えないようにする。
【 リスクの最小限:スケジュールとチームのトレーニングセッションの管理 】
〜略〜
・トレーニングセッションのグループの人数には、すべてのアスリートとスタッフが含ま れ、地方自治体、州当局、連邦当局による、集会や社会的距離に関するポリシーを順守する必要がある。
・アスリートのすれ違いや混雑が発生する可能性が高いトレーニンググループ間の移行時間については、特別な考慮が必要となる。
・特定の時期や地域におけるCOVID-19 制限の解除に応じて、 S&Cコーチは 6フィート(約 183 cm) の社会的距離を順守するように準備しなければならない。
【 トレーニングの安全性:不活動期間後に潜むリスク要因 】
・活動中止期間後、アスリートは特に労作性(運動性)の傷害を受賞しやすくなる。COVID-19のパンデミック中の外出自粛制限により、アスリートのほとんどのトレーニングは中断または制限されている。
「不活動後の移行期にトレーニングに安全に復帰するための CSCCaとNSCAの合同総合ガイドライン」
・運動集団における労作性熱中症
・労作性横紋筋融 解症
・心肺不全による傷害と死亡の発生
に関連する合同総合 ガイドラインを参照する必要がある。この文献では、トレー ニングの最初の 2 〜 4 週間について、トレーニング量、強度、 およびワークーレスト(運動-休息)比の安全な上限を提言している。
・さらに安全なトレーニング再開をサポートするために、
〜中略〜
・トレーニン グ初心者は、導入的なトレーニング局面から開始する
・中級または上級アスリートは、オーバートレーニ ング状態を避けるために、全セットでオールアウトまで行なうような取り組みを推奨しないようにするべき
→ 最初のウェイトルー ムのトレーニング分割(スプリット)戦略
① 週に 3 回以下 のトレーニングセッションで、セッション間の休息日として1 〜 2日を設ける必要がある。
② アスリー トの回復と準備を管理した上で、より休息期間の短い、より高頻度なトレーニングセッションを優先する週間プログラム戦略を採用する場合は、エビデンスとコンセンサスに基づく最良の判断をする必要がある。
・不活動な状態が長期間続くと、遅発性筋痛(DOMS)の可能性が高まるだけでなく、可動性と柔軟性の減少が大きくなるということも、伸張性エクササイズやプライオメトリックエクササイズ に選手が改めて取り組む際に考慮する必要がある。
・最初に重視される、その競技に要求される動的な動作パターンの再構築は、主な活動前に行なう目的のある構造化された毎日のウォームアップを行なうことで達成することができる。
・このCOVID-19 が蔓延している期間では、多くのアスリートが自宅の小さなスペースでトレーニングを行なっている。10 〜 20 分続く体系的で漸進的なダイナミックウォームアップは、競技活動のための身体準備と傷害リスクの低減を図るとともに、スプリントメカニクスに対するドリル、可動性と可動域の改善、心臓血管系能力の再構築に最適である。
【 その他の重要な要素 】
・S&Cコーチは、アスリートの生活に影響を与え、チームがトレーニングや競技に再順応するのをサポートする上で重要な役割を果たす。ただし、トレーニングを考慮する前に、アスリートの主なニーズをサポートすることが最も重要である。
・これには、アスリートが特に睡眠習慣、起床、食事、通学、学業などの通常行なっていたスケジュールに戻るための支援が含まれる。
・ほとんどのコーチやアスリートは、その競技自体、そして次シー ズンが行なわれるのかどうかという、これほどの見通しが利かない経験をしたことはない。COVID-19 が多くの個人や家族にとって、ストレスフルかつ見通しの利かない時間であったことを認識することは重要な視点である。
アスリートの安全に対して、最大限の予防策を確実に行なうために従事するS&Cコーチとして、すべてのコーチとスタッフの健康と幸福も優先されなければならない。
参考:COVID-19 RETURN TO TRAINING ›› NSCA.com/COVID-19-return-to-training