昨日は高校生のチーム指導でした。
試合前なので主に個人の外傷や障害の相談と対応でした。
スポーツ現場はケガがつきものです。
「ケガをしにくい体づくり」のためにコンディショニングを実施していますが、何らかの原因によって身体機能が低下し、痛みや違和感を抱えてしまうことがあります。そういった状態からできるだけ早く、重症化しないように対応していくことを「リコンディショニング」といいます
今回も症状は様々ですが、その原因が「扁平足」というものが多かったです。
肩が痛い、膝が痛い、腰が痛い、そういう痛みの原因も足部の機能が低下は大きな影響を与えます。
足部の状態を評価し、メカニズムの説明とその対策を指導しました。
●足部の評価
足の裏にはアーチが3つ(内側・外側縦アーチと横アーチ)が存在します。多いのは内側縦アーチが潰れてしまって足と床の間に隙間がない状態です。遺伝性もありますし、足部の筋が疲労して起こることもあります。昨日は内側縦アーチの低下によって外脛骨(土踏まずのあたりに突出している骨)の痛み、膝の痛み、足の甲の痛みを訴える選手、横アーチの低下で第2趾・第3趾に痛みがある選手がいました。
●下腿の圧痛
アーチ低下の原因の1つとして後脛骨筋の筋疲労があります。後脛骨筋の作用は足部の内返しですが、内側へ落ち込んでしまう負荷に抗することができなくなると、ふくらはぎの真後ろあたりを押すと硬さと痛みが確認できます。後脛骨筋を使うようなエクササイズを提供することで、ふくらはぎの痛みが緩和します。ふくらはぎの柔軟性は足関節の可動域にも関係するので、前屈したり他の動作でも状態の変化を確認しながら進めていきます
●足趾を使う
足の指が動かない、曲げられない子も多いです。人間には”ウインドラス機構”という、足の指を反らすことで足底腱膜を引き上げ、アーチを作るメカニズムが備わっていますがやはり使い過ぎると足の指の間の関節が固まってしまったりして足の指を動かす筋肉も機能しなくなると、バランス感覚を察する能力が低下してしまうので、こういう機会に足の動かし方も指導して、自分でセルフケアができるようにしていきます。※情報サイト掲載の「足部の機能とパフォーマンス:後編」参照
●痛みとの関連性を伝える
選手からすれば「扁平足がどうして痛みに影響するのか?」ということが理解できません。そこで扁平足が及ぼすパフォーマンスへの影響を、わかりやすく伝えてあげるのがトレーナーの専門性です。なぜ過剰に足部に負担がかかるのか?「例えば、動作が後重心だったり、腰が落とせなくて、レシーブが拾えないことがない?」など身体の状態からプレースタイルは想像できるので、問いかけてみると、周囲で見ていた他の子たちが頷き始めました。
練習にしっかり参加できる状態に早く戻してあげたいし、パフォーマンスを高める為に痛みなど抱えた状態からは早く脱却したい、させたいのはお互いの願いです。しかし、短時間の説明と指導で生徒達が理解するには難しいところもあります。
「今日、教えたことはむずかしかったかな?自分でもできそう?」
と聞くと
「はい、できます。でも(私に会う)期間が開くと”これで合ってるのかなあ?”と思ってしまいます」
「いい意味で、身体は変わるから、変化がわからなくなるんだよ。そうなった時にはトレーニングのレベルを上げなければならないから、また遠慮なく相談して、こうやって話をして考えていこうね」
こういう地道なやり取りをしながらですが、私も適切で効果的な指導ができるように頑張らなければならない、ですね