先日、鹿屋体育大学で行われた「バレーボールキャンプ」の中で参加者へ向けて「コンディショニング」について話をしました。小学3年生~中学2年生の男女対象でした。1/25に続いて2度目の試みです。

私がこの取り組みを始めた理由は、育成世代のトップアスリートは「コンディショニング教育」がプログラムに組み込まれていることを知ったからです。栄養学、セルフケア、歯科講習などその年齢に合わせた内容を、繰り返しその大切さを伝え、セルフコンディショニング(自己管理能力)を養っていることを知りました。アスリートの育成には必要不可欠な教育であることは間違いありません。でも ”トップアスリートだけが知るべき特別なこと” ではないと思いました。
逆に、トップアスリートの道を”目前”とする学生アスリートが、コンディショニングの知識を持ち合わせていないことを知ったのも理由の一つです。学生たちも少なからずジュニア世代から競技力に長けていたはずですが、このような知識は持っていませんでした。そこで、自分が関わる選手だけではなく、鹿児島の子ども達へ私もできる事から発信していけばいいのではないかと思いました。
「コンディショニングって言葉を聞いたことがありますか?」と参加者に尋ねると手を挙げる子はほとんどいません。コンディショニングに初めて触れる機会になるかもしれないです。
20分間のミニ講習会、内容は以下の通りです
・コンディショニングとは
・柔軟性チェック
・チェック項目とバレーボールに多いケガの関係
・成長期は身体が硬くなる
・改善のストレッチング
柔軟性のチェックはペアでお互いチェックさせてみました。自分の体だけじゃなく、他人の体の動きも見てみよう。大学生の声かけもあったおかげで楽しみながらできました。

チェックは3つ。前屈、肩周り、しゃがみ込み。これらのチェック項目とバレーボールのパフォーマンスへの影響やケガの原因になることを簡単に説明すると、興味深く聞いてくれていました。年齢層に幅があるのでこれから成長期を迎える子、今まさに身長が伸びている子それぞれいたと思います。「成長期」という唯一身長が伸びる時期があること、身体が硬くなること、食事や睡眠など自分でまず意識する大切さを話をしました。最後にそれぞれの項目を改善するためのストレッチングを全体で実施しました。
講習後、引率の先生が
「子供たちが ”わかりやすかった!” と言っていましたよ」
と教えてくれました。
コンディショニングの土台はライフスタイル(日常生活)。子供たちには「バレーボールが上手くなるためにも、学校で言われている基本的なことが大事なんだ」と気づいてもらえたら嬉しいです。そして大人も同じです。保護者の皆さん、指導者の皆さんが健康であることが、子ども達が生き生きとバレーボールを楽しむことができる環境なのだと思います。
講習の合間には、「痛みを抱えているという選手をみてほしい」と保護者と一緒に相談を受けたり、バレー教室の途中で足が急に痛くなった子の痛みの評価をしました。こういうオープンな場で直接選手や保護者、指導者と話ができてよかったです。痛みの場所や原因は様々で学年(または体格)によって異なりました。痛みの原因はプレーではなく、走り方や歩き方の基本動作だったり、アライメント(骨格)の問題である子もいました。また、試合でかかる負荷が体のキャパシティを超えていることが原因の子もいました。何をすれば・・というよりもむしろ、少し休養(回復)の時間が必要なこともあります。

ジュニア期のアスリートは保護者や指導者の理解や協力は必要です。そして大人任せにせず選手自身もコンディショニングを学び、自分で自分の体を大切にする方法を知り、考える力を少しづつ身につけること。教えればちゃんと出来るはずです。
スポーツはケガがつきもの。「痛くて、どうしたらいいかわからない」そんな不安な気持ちを抱えることもあるでしょう。もしそんな時に私と出会えたならば、寄り添い、現状を説明し、道しるべを示してあげられたらなあ、と改めて思いました。