他のブログでアジリティトレーニングの基本的な考え方やドリルについて書かせていただきました。昨日はちょうどアジリティの設定日だったので、実際の指導の様子について書き留めてみます
●クローズドドリル
クローズドドリルとは予め予測が可能な、設定された条件の中で動くドリルのことです。以下のドリルを行いました
・5-10-5 プロアジリティ
・スクエアドリル(10m×10m)
いずれも、スタンダードなクローズドドリルです。プロアジリティドリルは20mの距離の中で2回切り返し動作が入ります(5m→10m→5m:→のところで方向転換)。
ドリルを説明し、1回全体で走らせた後で、このドリルのポイントを指導しました
- スタートの合図で爆発的に飛び出すこと
- 切り返しの手前で十分減速すると、切り返し動作が早くなること
- 方向転換後の爆発的なスタート
●アジリティドリルの目的とドリルの意図
アジリティドリルの目的は、方向転換(COD:Change of Direction)の能力改善。選手達には、「いかに方向転換に無駄なく、次の方向へ向かって爆発的にスタートが切れるかが課題だ」と伝えました。走るスピードも確かに大事ですが、競技特性でいうと、止まった状態からいかに速くスタートが切れるか(爆発的に=パワー)が重要です。
スクエアドリルは前後走と左右のシャッフルを各辺の動作として設定しました。こちらも観察していると、コーナーを”丸く”曲がったり、方向転換の地点で勢い余って滑ってしまったり。
1セット終了したところで「方向転換の手前でスピードを落とす(止まれるくらい)こと。大胆にやってみよう」と伝えました。このドリル自体は、次の動きが設定されているため、動作を止めず、次の方向へ進むことができるし、その方が当然スピードは速いのですが、実際のプレー中は、相手やボールの動きをしっかり見る、反応し(方向を)判断した結果 ”動く”、一歩目をいかに速く踏み出せるか、という技術も必要となります。
●CODの技術を理解し、習得する
「何らかの刺激に対して、知覚的・認知的に意思決定をし、加速、減速、方向転換(COD:Chage of direction)を伴う動作を素早く、正確に行う」がアジリティ本来の考え方ですが、今回の設定されたトレーニングは後半の部分(加速、減速、方向転換を伴う動作を素早く)行うことが目的です。
実際のプレーも、このアジリティ動作がさらに複雑に、繰り返し行われています。まずは、CODの技術を理解し、さまざまなシチュエーションでうまく身のこなしができるよう、フィジカルトレーニングとスキルを繋げられるトレーニング指導を考えていきたいと思うところです。
まとめ
「できない」とわかると俄然、負けず嫌いが出てくるアスリートたち。「できている」人を観察する能力もだんだん備わってきました。お互いの動きを指摘し合える環境づくりも大事ですね!