2月でオフシーズンが終わり、プレシーズン(専門的準備期)に移行し、練習ゲームやスキルトレーニングの割合が増えています。オフで積み上げた基礎体力をこれから競技に変換していくのがこのシーズンの目標です。
一旦、遠征を終えた選手の対応をしました。今回はプレシーズンからインシーズンへ向けて、オフの振り返りや気づき、選手との対話の一部を記録します
<内容>
●測定による基礎体力の結果
●フィットネスをスキルに活かすために
●選手の主観的な感覚も大切にする
●測定による基礎体力の結果
2月末にフィールドテストと筋力測定を実施しました。スクワットの平均(同一選手)は、昨年11月の記録と比較し、96.1kg±11.5(標準偏差)→102.5kg±15.1、ベンチプレスは43.0kg±6.3→46.7kg±6.8、他の種目も相対的に向上し、ジャンプ力やその他の基礎体力要素もチーム全体で向上しました。体重も増量しました。
オフで提示した体力課題は筋力とスピード。インターバル走やスプリントドリルも多く実施しましたが、走り方を指導したりスタートダッシュも意識的に例年より多く取り入れたりした結果、数字にも出ていました。学生達もシーズン中に食事の勉強会としてグループで献立をたて、料理を作ったりと食にも意識を向けてくれていたようです。
測定結果から基礎体力は向上したことがわかったのでオフシーズンの目的は達成。前よりもスキルを身につける土台は備わっていることからあとはしっかり練習を積み、新たな課題に対応しながら、トレーニングメニューを考えていきます。
●フィットネスをスキルに活かすために
身についた筋力やスピードを実際のプレーで生かし、さらなるパフォーマンス向上へ繋げていくのがこのシーズンの目標です。オフシーズン終盤あたりから遠征へ向けて筋の柔軟性や関節可動域を広げるエクササイズの重要性を指摘しています。筋力が身につくということは体重が増える(エンジンが大きくなる)ということ。その身についた筋力を利用して関節をスムーズに動かし、そこへスピードが加わることで「パワー」となります。シーズンまでもう少し時間があるので、何が自分の動きを邪魔する要因なのか、自分がどんなプレーを目指しそのために何をすればいいのか”考える”力の手助けをし、選手個々の意識レベルを少しづつ上げていくことが求められます。
●主観的な感覚も大切にする
「トレーニングで取り組んできたことがゲームで生きた(効果があった)と感じることがあったか?」と選手に尋ねると「ラリーで体力負けする感覚はなかった(息が上がらなかった)」とのこと。今年からyo-yoテスト(間欠性回復力テスト)*のレベル2を毎月テストし、能力の向上が見られました。レベル1との違いは走るスピード。停止からスタートの一歩目が速く出せるようになったことで、測定値が上がったことを認識していました。
まだまだこのようなフィットネスは継続的に負荷をかけながら能力を上げていく作業が必要です。しかしながら数字(データ)を裏付ける感覚的な気づき、そしてコメント(言語化)の共有は、オフシーズンを乗り切った彼女達のモチベーションと自信に繋がるのではと感じました。
*Yo-Yo Intermittent Recovery Test(ヨーヨー間欠性回復力テスト):激しい運動と短い休息を繰り返す能力を評価するテスト
●まとめ
「技術力があれば最初は勝てるかもしれないけど、いずれ頭打ちとなる。そこから支えとなるのはフィジカルだ」とあるアスリートが言っていました。そのためのフィジカルトレーニングですが、オフを振り返ると・・・きついし、とても地味で根気が必要、そして時間がかかります。そこを何とかこなしてきた頑張りは認めてあげたいと思います。さて、本番はこれから。選手と共に試行錯誤の日々は続きます。